100%水力発電の東京電力の「アクアエナジー100」とは?


 東京電力が新しく提供しているアクアエナジー100は、100%水力発電所で作り出した電気を使える個人向けの電力供給サービスです。
 基本料金は割増しになりますが、電力を種類で選んで使える画期的なサービスです。




東京電力の水力発電100%アクアエナジー100プランの内容

 アクアエナジー100は、水力発電所で発電した電気を個人向けに販売する、東京電力エナジーパートナーの新電力サービスです。
 法人向けがアクアプレミアム、家庭向けがアクアエナジー100となっていて、双方ともにすでに受け付けは開始されています。100%水力発電という電力サービスは国内で初めてですし、発電所の種類を限定するという考え方そのものが初登場となります。
 電力は現在原子力、火力、水力、太陽光から作られ運営されていますが、基本的にすべては一つにつながっています。東京電力エナジーパートナーは、それぞれの発電所のCO2を計算する排出係数を裏付けとして、再生可能エネルギーのみの供給を実現。電力の小売り全面自由化と東京電力からの分社化をきっかけに、水力100%のメニュー提供を開始しました。


東京電力の水力発電アクアエナジー100のコストメリットは

 一般消費者にとって、再生可能エネルギーはとても意義のあることですが、やはり気になるのは電気料金です。通常メニューのスタンダードSと比べて従量料金は同じ金額ですが、基本料金がほぼ倍額になっています。例えば一般的な戸建て住宅で30A契約の場合、1ヵ月の平均電力量は300kWh程度になりますが、この場合で月額は約2割増しになる計算。
 ただ、燃料費調整額が適用されないため、単に単価だけで考えることもできません。燃料費調整額というのは、従来の電気料金に最初から織り込まれている原油価格の変動分です。つまり、使っている電気量がまったく変わらなくても、市場で原油価格が上昇すれば電気料金も上昇する仕組み。
 様々な発電所で作った電力の供給を受けているため、化石燃料を使用した分も負担しなければならないシステムです。最近は原油価格も低迷しているので、あまり燃料費調整額からの恩恵は感じられないかもしれませんが、油価に左右されない電力というのは画期的です。


東京電力の水力発電アクアエナジー100の基本料金

 料金設定は基本料金1契約あたり以下の通りです。
 10A 550円80銭、15A 826円20銭、以降、10A刻みになります。
 20A 1101円60銭、30A 1652円40銭、40A 2203円20銭、50A 2754円00銭、60A 3304円80銭。電力量料金(1kWhあたり)は、最初の300kWhまで23円40銭、300kWhを超えると1kWhにつき30円02銭です。100%水の力で発電し、57%はダムを使用した水力発電所での発電、43%はマイクロ水力発電所で発電されています。
 マイクロ水力発電は、より環境への負荷がかからない新しい試みの再生可能エネルギー発電です。解約時は期間に関わらず解約事務手数料540円がかかりますが、解約違約金などは一切ありません。


東京電力の水力発電アクアエナジー100の申し込み方

 アクアエナジー100は、すでに受付を開始しています。供給エリアは東京電力の管内で、電気代の支払い方法は原則口座振替かクレジットカードとなります。
 振込用紙を希望する場合は発行手数料が1ヵ月216円かかります。請求書はweb明細となり、紙での郵送は1ヵ月108円かかります。申し込みはwebからと電話からになりますが、申込み時には電気ご使用量のお知らせ(検針票)を手元に用意しましょう。現在の契約内容が書かれていますので、それに従って必要な項目を伝えればOKです。
 また、申し込みは電気の契約者本人か、本人の了承を得ている人に限りますので注意しましょう。電話はかなり混み合うので、webからの手続きのほうが比較的スムーズです。

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