法人の高圧電力契約のデメリットやメリットは何?


法人向けの電力自由化は、2000年に始まり制度の整備が進んで現在に至り電力契約を新しい物に切替える会社法人も増えて来ました。ただ、単純に切り替えれば済むという物でも無く、切替えの際には幾つかチェックしておくべきポイントがあります。そこで、今回高圧電力契約切替えにおけるメリットとデメリットに関して、重要点を4点程述べていく事とします。前提条件によって変わる部分も多いので、自社の事情も勘案した上で、最適な選択をするのがとても重要です。





高圧電力って何?

契約電力が高い事を高圧電力と言って、逆に低い場合は低圧電力と言います。高圧電力は50kW以上、低圧電力は50kW未満ということです。主に使われる施設としては、低圧電力は商店や個人医院やカフェ、美容院に一般家庭が代表的です。

柱上変圧器が電柱に設置されていますが、そこで100Vと200Vに変圧されてから送電されます。それと比較して高圧電力の方は工場や大型商業施で使用される事が多いです。その時に送電されてくる電圧が6600Vもあるので、それを100V~200Vに下げる為の高圧受電設備であるキュービクルが使用施設に設置されているのもポイントです。柱上変圧器の強力な物だと考えておけば、問題ないでしょう。



高圧電力のメリットは?(一括受電契約とは何か?)

例えばマンション等の集合住宅の場合、各部屋毎に低電圧の契約をするのと比較して高圧電力の契約にした方が全体的な電力価格が大きく下がるというメリットがあります。これを一括受電契約と言いますが、これは1構内につき、1契約という制限が付いてきます。つまり、マンション全体の契約ではなく、個人で新しい契約を結びたい様な時はNGになってしまうという事ですので、その点には注意が必要です。例えばIT関係等で、マンションが自宅であり専門的な機械を別口の電圧で使いたいという様な事情がある人等は一括受電契約に関係する部分を慎重に見ておいた方が無難とも言えます。

基本的に「多くの機械を使う余地が多い施設であるならば、長期で見た場合」は低電圧よりも、高圧電力の方が圧倒的に電気代が安くなります。医療法人の類が最も分かりやすいですが、自費設置になる高圧受電設備であるキュービクルや管理維持を外部委託する事を折込済にして比較しても、メリットの方を高く見る事が出来ます。



高圧電力のデメリットは?

「一括受電契約が良い」と言っても、高圧電力を扱う場合にはまず感電のデメリットを考えておく必要があります。高圧受電設備のキュービクルは、外部から見えやすい場所に設置する事になるケースも多いですが、管理に注意していないと子供や動物が中に入ってしまう事が少なからずあります。6600Vも電圧がありますので感電した場合は確実に死亡事故案件になりますので、電力自由化の流れに乗って会社を探す場合は、管理を徹底している所を選ぶ事が基本になります。

他にも、管理が杜撰でショート事故が起きてしまうと周辺一帯が停電してしまう事もデメリットとして、把握しておかないといけません。電力遮断装置のPASの設置等対策法もありますが、自社の不始末の結果、周辺に停電波及を起こした場合損害賠償は桁違いになってしまう事も珍しく無いので厳重警戒の必要があります。他にも電力自由化の流れで動く時には、「何処までが自社責任で、何処までが電力会社責任か」という点を必ずチェックして下さい。



高圧電力との契約!各新電力会社の比較方法は?

電力自由化にて、新電力会社を選ぶコツですが例えば契約期間の終了を待たずに急に新電力に切替える等は避けた方が無難です。契約期間の長短等、他にも気にする点は色々ありますが、高圧電力の電気料金は、500kw未満の場合と500kw以上の場合で料金の設定方法が異なります。単純に一律で設定されているわけではありませんので、契約期間等目立つ所以上に詳細に特に注意する様にして下さい。

他にも電力自由化になってから、定量制という言葉等も出て来る様になりましたが、これは「過去1年間の契約期間内の電気使用量の中で、最も使用量が多い月、つまり料金が高かった月を基準として電気料金を設定する事」を意味します。しかも500kW未満の高圧小口だけに適用されるという条件があります。他にも幾つかチェックポイントがありますが、不明な点がある場合は必ず詳細を電力会社に確認する事をお勧めします。

後は、「供給エリア」と「これまでの実績」と「シュミレーションが正しいか否か」の3点に注意すれば申し分ありません。

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