電力自由化に伴ってガス会社から電気を購入するメリット

電力自由化に伴って新規参入する東京ガスなどの大手ガス会社が提供する電気を購入するメリットは電力会社に匹敵する電気の供給に対する安心感と、東京ガスの場合は3種類の割引を組み合わせて、電気の使用量が多いほど割安になる仕組みを構築しているように、各社が独自に構築している価格面での優位性です。


電力自由化に伴ってガス会社から電気を購入するメリット
大手ガス会社の安心感の源
事前のシミュレーションが大切
基本料金と使用量に応じた割引
ポイントサービスによる還元


★大手ガス会社の安心感の源

 電力自由化に伴って多くの会社が電気を供給する領域に新規参入する予定になっています。その中の代表的な新規参入企業の一つが東京ガスをはじめとするガス会社です。そして東京ガスのような大手のガス会社から電気を購入する際の主なメリットは安心感と割安な価格になります。安心感が伴う理由の一つは東京ガスの場合には自社で火力発電を行って電気を作っているという点です。
 火力発電のための燃料を自社で日頃から調達をしているため、安定供給の基盤の強固さにおいて電力会社にも劣らないという点に安心感があるのです。
 そして万一自社による電気の供給に問題が生じたとしても、その場合には電力会社から電気を購入することができますし、利用する送電線も電力会社と同じものを利用しますので、バックアップ体制としては万全と言えます。そしてそもそも企業の財務面における体力と信用力がありますので万一自社による発電に不具合が起こったとしても経営に大きなダメージを負うレベルのトラブルになる可能性は低いであろうと見込める点に安心感を抱けるのです。このようにインフラを保有し財務面での体力があるという安心感が大手のガス会社のメリットです。


★事前のシミュレーションが大切

 ガス会社から電気を購入するもう一つのメリットが 割安な価格です。ただし、東京ガスの場合には割安になるのは電気の消費量が多い世帯です。 1人暮らしでほとんど家にいない人などの場合は却って割高になる場合もあります。 そこで東京ガスは12か月分の電気料金の検針結果の個票があれば サービスセンターなどでシミュレーション をしてくれたり、 ホームページでシミュレーションを自ら行うこともできるようになっています。 従って、まずは一度シミュレーションをしてみることが肝要です。この時、電気料金の検針結果の個票は1ヶ月分しかなくてもシミュレーションが不可能ということはありません。
 しかし、電気の使用料はエアコンなどの空調機器の使用頻度の多い夏場や冬場と使用頻度の少ない春や秋とでは大きく異なる世帯も少なくありません。ですのでより 精度の高いシミュレーションを行うためには12か月分の電気料金の検針結果のデータを把握している方が良いのです。


★基本料金と使用量に応じた割引

 シミュレーションをすることで具体的にどの程度電気料金が変わるかの目安が分かる訳ですが、具体的に電気料金が割安になる理屈にはガス会社ごとに違いがあります。例えば東京ガスの場合には、電気を購入する際の価格面のメリットが形成される理由が3つあります。1つ目は基本料金。2つ目が 電気の使用量に応じた割引。そして3つ目が ポイントサービスへの還元です。
 1つ目の基本料金に関してはガスと電気をセットで購入すれば電気料金の毎月の基本料金から一定の割引が受けられます。そして2つ目の使用量に応じた割引に関しては1KWHあたりの料金の内で、最も電気の使用量が少ない段階で適用される第一段階の単価は電力会社の単価よりも割高になります。そのため、月々の電気の使用量が少ない場合は、基本料金の割引があっても却って合計の電気料金が割高になる可能性があるのです。
 しかし、第2段階以降は割安になり、第3段階では割引率がさらに上がります。そのため、 電気の使用量が多いほど割安な価格となるのです。


★ポイントサービスによる還元

 3つ目のポイントサービスによる還元は月ごとに支払う電気料金に応じて自社の独自サービスであるポイントを付与するというものです。
 東京ガスの場合には付与された分を直接電気料金の支払いや東京ガスが提供するサービスの利用やキャンペーンの参加、グッズ類との交換などに使用することが可能です。
 そしてもう一つの利用の仕方として提携している他のポイントサービスへの移行も可能なのです。
 東京ガスの場合には全国的に普及していて多様な業種で活用されているWAONなどの主要な5つのブランドが提携先となっています。
 そして、どのブランドに対しても 1ポイントを1円分と換算して移行させることができます。こうした還元サービスは多様な業種の商品の購入に利用できますので、事実上のキャッシュバックと同じメリットがあるのです。このように、東京ガスであれば基本料金の割引と使用量に応じた割引、そして電気料金に応じた還元の3段階で電力会社から電気を購入する場合と比べての価格面の優位性を構築しているのです。