電力自由化は集合住宅でも手続きできるか

 電力自由化によって、自分に合った電力供給会社を選ぶことができるようになりました。電気料金は、大幅に安くなるわけではありませんが、ポイントや付加サービスがあります。マンションなどの集合住宅では、変更できない場合があります。手続きには、スマートメーターへの変更などが必要になってきます。


電力自由化は集合住宅でも手続きできるか
電力自由化のメリット
手続きにおいて注意する点
集合住宅やエリアでの注意
スマートメーターへの変更


★電力自由化のメリット

 電力自由化が始まっています。多くの家庭で、電気代が安くなるなら手続きをしようか迷っているかもしれません。電力自由化で、現在の電力会社から他へと変更したら、どの程度メリットがあるのでしょうか。電気の使用量にもよりますが、一年で数百円から数千円程度電気代が安くなることが多いようです。電気代が高い人ほどメリットが大きくなります。電気代だけでは、そう劇的に安くなるわけではありませんが、セットで割引になったり、付加的なキャンペーンがあるのです。電気代に応じたポイントがついたり、その電力供給会社の割引サービス(例えば、エネオスで電気料金をエネオスカードで払うと、ガソリン代などが割引になる)があるのです。ポイントについては、さまざまなネットショッピングのポイントに交換できたり、買い物に利用できるので、お得です。


★手続きにおいて注意する点

 電力自由化の手続きで注意する点は、キャンペーンの期間や解約のタイミングです。例えば、一定期間に申し込むと、電気料金が何%引きになるキャンペーンがあっても、その期間内に手続きが済むように申し込まなければなりません。多くの場合、電気メーターをスマートメーターという、デジタル式のメーターに交換しないといけないので、その日程調整も必要です。検針も、月に一回なので、申し込んだ翌日から、電気料金が安くなるわけではないので、日程は余裕を持って申し込まなければいけません。他に注意する点は、プロバイダや携帯電話の料金とセットで安くなる場合、一定期間内(1~2年)に解約すると、違約金を数千円払う必要があることが多いのです。その期間は解約しないようなプランに申し込まないと、逆に損になりかねません。また、引越しの予定がある場合も要注意です。


★集合住宅やエリアでの注意

 引越しの予定がある場合、変更した電力供給会社の電力の供給エリアに制限があることもあるので、引き続いてサービスが受けられるかどうか、注意が必要です。また、電力のアンペア数も、30アンペア以上などの制限があり、20アンペアの場合は、変更する必要があります。マンションなどの集合住宅では、その棟で一括して電力を供給されている場合は、個人で変更できません。賃貸のマンションでも、一室一室個別の電気メーターがついている場合は、スマートメーターに変更して、電力自由化の手続きをすることができます。ただし、アンペア数の変更など、工事が必要になってくると、念のため大家さんや管理会社の承諾を得たほうが無難です。集合住宅でも、全室で一括して電気の供給を受け、共益費に含まれるシステムの場合は、変更することができません。


★スマートメーターへの変更

 スマートメーターは、従来の電力の使用量を表示するアナログ式のメーターと異なり、デジタル式で表示されます。外見も、スマートな外見となります。また、情報通信機能がついているのが大きな特徴で、電力の使用量が電力会社や家庭に送信されるので、節電に利用できます。例えば、リアルタイムで、どのぐらいの電気を一日で使ったか、使用量が多い時間帯や曜日などを把握し、より安い電気料金プランに変更することもできます。国の指針では、2020年台には、全家庭にスマートメーターを設置することを目標に、順次変更手続きが進んでいます。一人暮らしの高齢者の見守り(毎日の電気資料量をチェックして、異常があれば連絡するなど)にも利用できます。ただし、情報通信機能が搭載されていることにより、個人情報の漏えいや、セキュリティの問題があり、今後の課題となっています。