北陸電力は、2018年4月から値上げをおこなうと発表しました。
主な対象は、一部オール電化利用者となります。志賀原発の停止に伴い、赤字対策がおこなわれるためです。適切な対策をおこなって、できる限りの負担軽減をおこないましょう。
北陸電力の値上げについて
北陸電力では、2018年4月より値上げをするとの発表がありました。2017年11月の公式な発表にて知らされた内容であるため、値上げのタイミングに向けて心構えをしておかなくてはなりません。
また、値上げ幅が決して小さくないという点についても注目しておくべきでしょう。たとえば、深夜利用の多い人向け電力プランである「エルフナイト10」を例に挙げると、基本料金には変動がないものの、昼間時間で1kWhあたり65銭、夜間時間も3円13銭値上がりします。
深夜帯のお得さが魅力のプランにもかかわらず、夜間も値上がりするというのは少し気にしておくべきでしょう。毎月の値上がり例としては、9kVA契約でひと月870kWh使用する家庭であれば、月間1,423円の値上げが発生する形となります。
年間にすると、15,000円以上の値上がり幅です。対策を考えておくべきでしょう。
対象は一部オール電化利用者
北陸電力が値上がりするといっても、すべての契約者が対象というわけでもありません。
主には、前述の「エルフナイト10」プランに加え、「くつろぎナイト12」、「エルフナイト8」、「エルフナイト10プラス」、「深夜電力A・B・C・D」、「ホワイトプラン電力Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ」、「低圧蓄熱調整契約」に該当するオール電化住宅向けプランとなります。
値上がり幅は一定でありませんが、平均して9.7%上がると発表されています。一方、オール電化ではない一般家庭や小規模商店に関しては、従来からの料金設定が据え置かれる形となります。
対象となるところは全体の2割程度に留まるそうですが、販売電力量に関しては約8割をも占めているそうなので、それぞれの負担は決して少なくないかもしれません。自宅の電力プランを見直して、心構えが必要かどうか確かめておきましょう。
原因は志賀原発の停止
ではいったい、なぜ突然値上がりが発表されたのでしょうか。これには、具体的な理由が伴っています。それは、北陸にある志賀原発が停止されたためです。
この原発がオール電化向けとして稼動されていたことに伴い、停止の影響が大きく響いているのです。抜本的な電力値上がりは、昭和55年の第二次オイルショックが原因となって起こったもの以来であるそうなので、いかに特例的かが窺えます。
とはいえ、志賀原発は平成31年10月の再稼動も期待されています。まだ運転開始の見通しは立っていないそうですが、この時期になるとまた改めて料金を見直すことにも期待がもてます。ひとまずの収益改善策としての値上がりなので、お先真っ暗というわけでもなさそうです。
新電力への切り替えは有用?
近年における電力節約の方法といえば、新電力への切り替えが挙げられるでしょう。北陸電力が値上がりするとなれば、まさに切り替え時のように感じられるかもしれません。
実際のところ、有用な判断となるのでしょうか。結論としては、残念ながらこの方法は活かせません。というのも、同エリアにおけるオール電化向けプランが利用できる会社は、北陸電力以外存在しないためです。
とはいえ、対策方法がないわけでもありません。たとえば、比較的電気料金の安い深夜帯を中心に電力使用をおこなう、給湯や蓄熱暖房機の使い方を見直すといった工夫は有効です。
普段からでも役立てられる工夫ですが、値上がり時は一層効果的に感じられるでしょう。またそもそも北陸エリアは全国的にみて電力が安い地域でもあるため、そこまで悲観する必要もありません。値上がり後についても、全国的に見ればまだ安めの設定なので安心してください。