電力自由化における切り替えと解約の費用

電力自由化にあたって、電力会社を切り替えるのに必要な費用は、基本的にゼロです。また、クーリングオフもできます。解約には、プランによっては違約金を払う必要があるので、最初によく確認しておく必要があります。


電力自由化における切り替えと解約の費用
電力会社の切り替えに必要な費用
クーリングオフはできるか
解約では違約金を支払う必要があるか
従来の会社のプランと引っ越し


★電力会社の切り替えに必要な費用

 2016年の4月から、電力自由化が開始しました。電力会社を切り替えるのに必要な初期費用は、基本的にゼロです。なぜなら、新しい会社に変更しても、電気自体は、今まで利用していた地域の電力会社の送電線をそのまま利用するからです。切り替えにあたっては、スマートメーターの設置が必要になります。今までの電気メーターを、新しいタイプのメーターに交換しないといけないのですが、これも無料です。交換のさいに工事が必要な特殊なケースもありますが、それでも数千円です。何万円も必要と言われる場合は、「電力自由化詐欺」の可能性があるので、注意しましょう。スマートメーター自体は、全世帯に普及させる計画が進んでいるので、賃貸物件であっても、いずれは変更しないといけないのです。退去する場合も、もとに戻す必要(原状復帰)はありません。交換の工事は、多くは10分程度で終わります。


★クーリングオフはできるか

 電力会社を切り替えた場合、クーリングオフができないと考えられている傾向があります。しかし、これは誤解で、他の商品と同じで、訪問販売や電話勧誘によって申し込んだ場合は、八日以内に手続きをすれば、クーリングオフでキャンセルすることができるのです。今までにないサービスなので、電力自由化に便乗した詐欺が多発することが懸念され、消費者庁も注意を勧告しています。不安なことは、経済産業庁のサイトで調べたり、消費者ホットラインなどに相談するといいかもしれません。訪問や電話で申し込んだ場合はクーリングオフできますが、八日を過ぎた場合や、他の方法で申し込んだ場合は、クーリングオフはできません。もしキャンセルしたい場合は、通常の方法で解約の手続きを取らないといけません。解約にかかる費用は、電力会社によって異なってきます。


★解約では違約金を支払う必要があるか

 切り替えを申し込んだけれども、やはりキャンセルしたいとか、実際に使用してみて問題がある(思ったより安くならないなど)とか、急に引越しが決まった場合など、電力会社に解約を申し込めば、元に戻すことができます。この手続きにかかる費用は、会社によってはゼロであったり、数千円かかる場合もあります。とくに、携帯電話やプロバイダとセット割引になっているプランでは、契約から1~2年以内に解約すると、違約金を払わないといけないケースがほとんどです。契約する前に、よく考えて申し込む必要があります。最初から違約金が不要のプランに申し込むか、1~2年は継続して利用するプランを選んだり、あるいはメリットの方が大きいプランを選ぶ必要があります。そうすれば、違約金を支払わなければいけなくなっても、トータルではプラスになるからです。


★従来の会社のプランと引っ越し

 新しい会社に切り替える場合、従来の会社のプランをやめることになりますが、これに関しても、通常のプランなら無料です。オール電化などの特殊なプランを選択している場合は、一定期間以内(一年など)に解約すると違約金が発生することがあります。また、急に引越しが決まった場合に、引越し先のエリアや住居で引き続き、乗り換えた会社を利用できれば、住所変更の手続きだけで済みます。しかし、引き続き利用できない場合は、契約を解除しないといけません。この場合は、期間内であっても、やむを得ないケースとして、違約金を払わなくても良いことが多いようです。この判断は、電力供給先によって異なるので、引越しの可能性がある場合は、確認したほうが良いでしょう。あるいは、全国で利用できる会社を選択したり、契約の解除が無料でできるプランを選択するという方法があります。