電力自由化以降契約数はどの位?みんな新電力にスイッチしているの?


電力自由化により電力会社も市場原理の中で勝負しなければならないようになりました。消費者としてはどの会社と契約を結べばお得になるのか選べることになったので、メリットが大きいといえるでしょう。

では実際のところ、どれくらいの割合の方が新しい電力会社への乗り換えを行っているのでしょうか。その詳しい情報について解説していきます。今後、電力会社の乗り換えをする可能性のある方にとって有意義な内容となっています。






2019年9月時点での新電力のシェアは15.8%

電力自由化によって新規電力会社への契約数は増えましたが、そのシェアは全体で言うと20パーセントほどに留まっています。なぜ20パーセントに留まっているのかについてはいくつかの理由が考えられます。

1つ目は既存の電力会社が新しいプランを登場させたことです。乗り換えなくてもお得になるように既存の電力会社が努力したので、新規の会社への流入が限定的となったといえるでしょう。

2つ目は乗り換えることを手間と考える方が多いという理由です。

実際には新規事業者への乗り換えはそれほど大変ではありませんが、イメージとして手間がかかりそうと勘違いされることがあります。今後はさらに新電力会社に乗り換える方が増える可能性もあり、シェアが小さいとは一概に言えない状況です。



北海道・東京電力エリアは20%以上のシェア率

新規電力会社のシェアには地域差があります。例えば北海道や関東エリアについては20パーセント以上のシェアを持っています。この地域には特に多くの新規電力会社が参入しており、中でもエネットなどは人気があります。大手と新規事業者との競争も発生していて、消費者の選択肢が多いことも特徴です。

競争が起これば起こるほど、よりお得なプランが提案されやすくなります。その恩恵を特に得やすいのが北海道と関東エリアといえるでしょう。この地域で電力供給を行っている会社が今後は別の地域で電力供給を開始する可能性があります。そのため、この地域に住んでいる方以外の方もエネットなどがどんなサービスをしているかを知ることは有効となります。新興電力会社、新電力会社の数は大幅に増えました。



契約件数は1000万以上

電力自由化以降はエネットなどの電力会社のシェアが伸びていて、契約数は1200万件以上となっています。日本全体の世帯数から見ても非常に多い水準といえるでしょう。契約数が増えている背景には電力会社が群雄割拠の状態になっていることが挙げられます。

電力以外の大手企業も電力事業に参入し、大きな資本を武器にたくさんの顧客を集めようとしました。その中で新興電力企業もオリジナリティのあるプランを用意し、競争が続いています。電力自由化の経過措置が切れるまでに乗りかえたいと考えている方も多く、今後も競争が続いていくものと考えられます。ガスや通信費とセットで契約をする方も珍しくなく、お得なプランが次々と選ばれています。そのことも契約数が増える一因です。



PPSは630社価格水準もお大手より安く、下落傾向

電力自由化に伴い、新興電力会社が増えたことによってPPSという言葉が知られつつあります。PPSとは、特定規模電気事業者の略であり、50kW以上の特定規模の需要者に対して電力を供給できる事業者のことを表します。飲食店の経営などを行う際には大きな電力を必要とすることがあります。

そこでPPSを利用することが有効といえます。PPSに指定されている事業者は630社ほどとなっています。この事業者は非常に大きな電力を供給しているにも関わらず、平均料金は大手よりも安いという特徴があります。そのことが契約数を伸ばすことにも繋がっています。新電力会社の中にはこのPPSに指定されているように、設備を整えているところがあります。

※出所、資源エネルギー庁「電力・ガス小売全面自由化の進捗状況について」から引用抜粋