賃貸アパートから引っ越し、大家に新電力からの原状回復を頼む?


 アパートやマンションで賃貸住まいをしている人は、賃貸契約時に電力会社を家主側から指定されていなかった場合は、電力自由化後にできた新電力会社に自由に切り替えることができます。そこから引っ越して行く際に、電力会社を元に戻す手続きをする必要もありません。
 退去後に新電力会社が、地域を管轄している旧来の大手電力会社に戻してくれます。最短利用期間が設定されている場合、引っ越し先でその新電力会社が使えない可能性があり、要注意です。





個別に契約をしているので、報告する必要が無い

 電力自由化により、アパートやマンションで賃貸住まいをしている人も、電力小売り会社を自由に選べるようになりました。賃貸契約を結ぶ際に、利用する電力会社の指定がなかった場合は、電力会社の切り替えを、アパートやマンションの家主もしくは管理会社に報告する義務はありません。
 ただし、まだスマートメーターに交換されていない住居であり、スマートメーターへ交換する際に建物に傷をつける可能性を交換工事スタッフから指摘された場合は、家主か管理会社に承諾を得る必要があります。承諾を得ないまま建物に傷をつける工事をしてもらった場合は、ついた傷の原状回復費用を家主から請求される可能性があります。
傷もつかず交換工事が簡単に済むようなら、報告する必要はありません。
 元々スマートメーターであれば、設定の変更はオンラインで行います。工事などの物理的な作業は発生しませんが、古い電気メーターの場合は、工事を要しますので、工事の内容を大家や管理会社に報告しましょう。場合によっては、お願いすれば、電気会社の方から、大家や管理会社に連絡してもらえます。工事に要する費用は、電気会社が負担するので、費用に関する心配は無用です。
  • 大家、管理会社からの電力会社の指定が無い場合は、電力自由化でのスイッチング(電力会社の切り替え)は、大家、管理会社に報告義務が無い
  • 元々の電気メーターが古いメーターの場合は工事が必要になるが費用負担は発生しない
  • 工事を要する場合は、工事の内容を電力会社から大家や管理会社に報告してもらおう


退去後に新電力会社が元の管轄している大手電力会社に戻す

 電力自由化によって新電力会社に切り替えたのち、そこから引っ越して行く場合に、原状回復をする必要はありません。スマートメーターを、交換前のメーターに戻す必要もありません。全国の電気メーターは、2023年までにすべてスマートメーターに交換される予定であり、新電力に切り替えた人が優先的に早く交換されただけです。
 退去後は、新電力会社が電力自由化前の電力会社に戻してくれます。住人が個別に対応する必要はありません。利用する電力会社の原状回復も、住人が個別におこなう必要がないこととなります。新電力会社から新電力会社への変更は難しく、いったん電力自由化前の電力会社に戻したほうが、次の入居者が電力会社を選びやすくなります。
  • スイッチングの際に、旧メーターからスマートメーターに切り替えた部屋を転居する際に、退去時に元のメーターに戻す必要はない
  • 退去して、新電力会社との契約を解約する場合は、元々の大手電力会社に報告する必要はない、解約手続きは、新電力会社が対応



大家の指定の新電力会社を利用している場合は報告不要

 賃貸住宅の中には、家主が利用する新電力会社を指定している場合もあります。それは賃貸契約時に不動産屋や管理会社などから知らされます。その新電力会社をその通り利用する場合は、すでにスマートメーターに交換済みである可能性が高く、なにも報告する必要はありません。個別に気配りをして対処するようなことは何もないと言えます。
 賃貸住宅はたくさんあり、電力会社指定ということも含めて比較検討して借りる住宅を決めるわけですから、賃貸契約時に電力会社を指定されている場合は、それに従うことになります。不本意である場合は、他の賃貸住宅を探しましょう。現在は以前と異なり賃貸住宅余りの時代ですから、借りる側に選択肢が豊富にあります。特に社宅や社員寮、学生寮などは電気会社の指定があるケースもあるので、スイッチングを検討する前に、契約書を確認しよう



引越し先は契約している新電力会社の管轄地域か事前に確認

 新電力会社の中には、最短利用期間を設定しているところもあります。最短利用期間が経過しないうちに引越す場合は、引越し先が契約している新電力会社の管轄地域かどうか事前に確認しておくことが望まれます。新電力会社によっては、引越し先で電力を提供していない場合は、最短利用期間を満たしていなくても解約手数料を請求しないところもあります。しかしすべての新電力会社がそうとは限らず、引越しによって解約手数料がかかってしまう懸念もあります。
 また、引越し先の地域でも、同じ、新電力会社が使えたとしても、気を付けなければならない事あがります。同じ電力会社でも、契約内容が変わる場合があります。
 例えば、東京電力の管轄地域から別の中部電力や、関西電力など、別の電力会社の管轄地域に越す場合は、契約内容が変わる場合が多いので、事前に確認しておこう。
 引越しの可能性がないわけではない場合は、最短利用期間を設定している新電力会社に切り替える前に、提供エリア外へ引越した場合の解約手数料の扱いについて、確認しておくと良いでしょう。
  • 引越し先でも、現在契約している新電力会社を利用することができるか、事前に新電力会社に確認しておこう、対象地域外の場合がある
  • 対応地域だったとしても、地域によっては契約内容が変わる場合もあるので、気を付けよう
  • 契約期間に縛りがあり、その期間中に解約した場合解約手数料を請求される場合もあるので、契約内容を確認しておこう