電力自由化は仕組みを誤解しており、デメリットがあるとする意見なども見られます。
これらの誤解の中でも代表的なものについて、実際には各電力会社でどのような対応を行っているのか知っておくことで安心して切り替えを検討できるようになります。
間違った意見を鵜呑みにして、電力自由化はデメリットがあるので切り替えない方が良いと考えないようにしましょう。安全なものなので、自分の利用環境に適しているものが見つかれば切り替えた方がお得です。
各社が自社発電しているわけではなく売電、だけを担っている
電力自由化で数多くの新電力が参入していますが、ここで誤解されている意見が各社で発電を行っているので不安であるというものです。実際にはこれらの新電力は独自に発電をしているのではなく、売電の工程だけを担当している仕組みになります。
電力自由化で料金がお得になるプランがあるとされる理由がここになり、自前で発電設備を新規に用意して管理・運用する必要がないためその分の費用がかからなくなり、低価格化が実現が可能です。
そのため、実績のない、今まで電力事業とは全く関係のない事業者でも参入しやすくなっています。発電元はこれまでと同じであるため、切り替えを行ったときに発電量が不足して供給が不安定になるデメリットはないので安心です。
再生可能エネルギーだけを供給する電力会社は高くなる。安くない。
原発の問題により環境に与える負荷が注目されるようになったため、電力自由化では再生可能エネルギーだけを使っている電力会社でなければ契約しないと考える人もいます。
しかし、この場合には節約にはならないことに注意が必要です。契約を切り替えるだけでお得になると誤解している意見が見られますが、再生可能エネルギーだけになればその発電にかかるコストは原子力などを使用する場合と比べると高くなります。
これが電力会社が電気を仕入れる原価になるので、この電力会社と契約した場合には料金は安くなるどころか高くなる仕組みです。電気料金を節約することと環境への負荷を軽減することのどちらを重視するか決めてから、利用先を検討しましょう。
倒産や事故があっても大丈夫!大手電力会社に自動で供給が切り替わる
新電力に切り替えても担当は売電だけで安心ですが、実績がないので倒産して停電するデメリットがあるとする意見についても誤解です。電力自由化ではこれらの新電力が倒産したり事故になるなどのトラブルが発生したときには、従来の大手電力会社がこれを肩代わりして送電を行う仕組みになっているので、停電するなどの心配はありません。
また、この切り替えは新電力にトラブルが起きたと申請して自分で手続きをする必要はなく、自動的に供給の切り替えが行われます。各地域の大手電力会社に義務付けられているので、拒否されることもないです。電力自由化を浸透させるために保護する取り組みであり、これにより安心して切り替えられるようになっています。
大手電力会社の送電網を使っているので、安定的に電力が供給されます
発電に関する誤解と似たものですが、新規の送電網では安定的に電力の供給ができないとする誤解した意見があります。
これに関しても、新電力は大手電力会社の送電網を使っているので不安定になることはありません。もちろん無料で提供されているわけではなく、送電に関する費用の支払いは行われていますが電気料金が今までよりも高くなる心配はないです。
自社で設備を用意して管理・運用するのと比べると負担は抑えられるので、電気料金の削減に繋がっています。なお、当然ながら災害などで大手電力会社の送電網が切断されるなどのトラブルが発生した場合にはそれが復旧するまで停電することになりますが、これは電力自由化とは関係のないものです。基本的には従来と同じものと考えて良いでしょう。