発電方法で電力会社を選べる


電力自由化により、消費者は電力会社と発電方を選べるようになりました。様々なサービスと電気をセットで販売している事業者が多いので、ライフスタイルに合った事業者を選ぶことで、電気料金を安く抑えることができます。また、安定した電力供給ができる火力発電や環境に配慮した再生可能エネルギーなど発電方法も選ぶことができます。メリットとデメリットを考慮してどのように作られた電気かを知ることも大切です。


発電方法で電力会社を選べる
電力自由化の仕組みとメリット
8割の電気は火力発電で作られる
再生可能エネルギーのメリットと太陽光発電
再生可能エネルギーでクリーンな電力を選ぶ


★電力自由化の仕組みとメリット

 電力自由化とは、消費者が電力販売事業者を選び電気を購入できるシステムです。今までは、地域ごとに決まっていた大手電力会社から電気を購入していました。しかし平成28年4月から始まった電力自由化により、消費者の電力、電気に対する選び方は大きく変わりました。様々な事業者が電力販売に参入できるようになり、企業独自の商品やサービスと電気をセットにした販売方法が目立つようになりました。新規参入した事業者は新電力と呼ばれ、携帯販売会社やインターネットプロバイダー、ガスやガソリンの販売会社など業種は様々です。ライフスタイルに必要な事業者を選ぶことで、 お得に電気が購入できるようになりました。新電力に切り替えることで、電気の安定供給や新電力の倒産などを心配する人も多くいます。しかし、今後も大手電力会社が安定供給をサポートするため今までと変わらない電気の供給が受けれます。


★8割の電気は火力発電で作られる

 電力自由化になったことで、消費者は発電方法も選べるようになりました。発電の割合を見ると、液化天然ガスと石油石炭を合わせて火力発電が8割以上を占めています。石油の使用が減少する中、石炭はコストが安く需要が増えています。しかし石炭輸出国が輸出量を控える傾向にあるため、世界で石炭の需給が逼迫しています。火力発電の5割弱を占める液化天然ガスは、二酸化炭素の排出が少なくクリーンなエネルギーとして注目されています。天然ガスは国内で採掘される量が非常に少なく、輸入天然ガスに頼っています。東日本大震災後は、輸入量が大幅に増えたため供給価格も値上がりしました。原子力発電は、発電コストが安く安定したクリーンエネルギーとして重宝されていました。しかし、震災後は原子力発電が停止していることから、さらに火力発電に依存する傾向にあります。


★再生可能エネルギーのメリットと太陽光発電

 再生可能エネルギーは、発電時や使用時に二酸化炭素などの有害物質を排出しないエネルギーのことです。二酸化炭素は地球温暖化に影響があるため、排出しない再生可能エネルギーの普及が急がれています。また、資源が無くならないため永続的かつ繰り返し使用できるエネルギーです。再生可能エネルギーとして認められているエネルギー源は、水力、太陽光、地熱、風力、バイオマスです。これらの発電方法を選ぶことで、地球温暖化に配慮できて他国からのエネルギー資源に依存する割合を下げることができます。政府は、再生可能エネルギーを普及させるために様々な施策をしています。家庭や事業所などで太陽光発電をしている場合、余った電気を電力会社に買い取ってもらえる余剰電力買取制度があります。この制度により、太陽光発電を選択する家庭や事業所が増えています。


★再生可能エネルギーでクリーンな電力を選ぶ

 太陽光発電は増えていますが、それ以外の再生可能エネルギーはまだまだ普及していません。水力や風力を利用する発電は設備投資に費用がかかり、天候など自然状況に左右されるため安定した電気が作れないことがあります。地熱発電は安定した発電が期待できますが、発電所の設置場所が公園や温泉施設と重なるため敷地の確保が難しい現状があります。バイオマス発電は、家畜の排泄物などの生物資源を利用しています。ゴミとして捨てられていたものを資源として使用することに加え、二酸化炭素も排出しないので地球環境の改善に貢献します。消費者が発電方法を選んで電気を購入できることは、様々な発電方法の推進になり地球環境の改善に繋がります。しかし再生可能エネルギーで作られた電気は、コストが高いというデメリットもあります。消費者はメリットとデメリットを考慮して、自分のライフスタイルに合った選び方をすることが大切です。