マンションなど集合住宅では電力会社を選べないケースがある


電力自由化によって、ビジネスチャンスをものにしようとする企業の存在がクローズアップされてきました。多くの需要が期待できる分野だけに、鼻息を荒くする企業も多いのです。電力会社に求められるのは、安定した電力供給以外のなにものでもありません。


マンションなど集合住宅では電力会社を選べないケースがある
自然エネルギーとのかかわり
競争が激化することのメリット
マンションなどの集合住宅の課題
電力自由化を真剣に考える


★自然エネルギーとのかかわり

 電力自由化という画期的な取り組みがスタートして以来、話題が沸騰していますが、その課題についても徐々に明らかになってきました。マンションなどの集合住宅では、自由に電力会社を選べないという問題が起こっています。そもそもこの電力自由化の議論が巻き起こったのは、2011年に発生した東日本大震災に起因するとされます。日本の電力供給の実態は、大手一社による独占状態が続いており、それを守り続けてきた日本政府のあり方にも厳しい意見が集中することになりました。その反省を踏まえ、いわゆる自然エネルギーを活用するという動きも活発化することになりました。具体的には、太陽光線や水力、風力などがあげられます。太陽光発電については、ある程度の実績をあげてきており、期待の声も膨らんでいますが、まだまだ安定供給には程遠いとされています。


★競争が激化することのメリット

 今回の電力自由化という事態を契機にして、新たにこの分野に参入しようとする企業の存在も大きくクローズアップされるようになってきました。伸びしろの大きな分野だと考え、ビジネスチャンスだと考えたのです。元々の関連企業はもとより、鉄道会社などの全くの異業種からの参入もみられています。電力を供給する企業に求められるのは、安定した供給以外のなにものでもありません。契約している家庭に電気の利便性を届けることが責務なのです。電力を供給する企業にとっての魅力は、安定した収益をあげることができる点です。現代社会においては、電気のない生活は考えられないといっても過言ではありません。貧しいといわれる家庭であっても、電気の恩恵を受けることができています。そのようなこともあり、異業種からの企業の参入も相次いでいるのです。


★マンションなどの集合住宅の課題

 今回大きく取り上げられている電力自由化によって、多くの人がその恩恵を受けたいと考え、情報収集に躍起になってきました。昨今においては、ネット社会が台頭しているため、パソコンはもとより、スマホやタブレット端末などによって、簡単に情報が入手できます。そんな中、マンションなどの集合住宅では、電力会社を自由に選べないという事態が起こっており、議論を呼んでいます。この事態については、マンションなどの集合住宅では、管理組合という組織が存在しており、その規約によって管理されているという背景があります。電力会社を変更するにあたっては、エントランスや通路、階段などの共用スペースもあることから、全体への影響を考える必要性があるのです。特に規模が大きく、世帯数の多いマンションなどの集合住宅では、規約の変更や改正などが必要な場合も多く、容易に進まないこともあります。


★電力自由化を真剣に考える

 電力自由化によって、多くの人が期待しているのは、企業間の競争が起こり、電力料金の値下げにつながることです。利用者にとってみれば、同じモノやサービスであれば、より安価なものを求めることは当然です。そういう意味では、電力会社を自由に選ぶことができないマンションなどの集合住宅に住む人にとっては、不公平感を抱く人もいるかもしれません。他の国に比較した場合にエネルギーコストが高いといわれる日本にとっての課題は、いかに安定した電力をより安価で提供することができるかです。今となっては、日本全国各地に安定した電力が供給され続けています。その安定感については、他の国々を圧倒するほどのものです。日本の繁栄を支えてきた先人たちの努力の賜物ともいえます。電力の恩恵を受けられることに感謝し、常に節電の意識を持つことが重要です。