従来は家庭で使用する電気は、地域ごとに決まった電力会社(東京電力・中部電力・東北電力・関西電力など)から購入する決まりになっていました。現在は電力自由化により利用者が新電力を選ぶことができ、中にはかなりお得なプランも用意されています。
電力自由化によって電気代が節約できるようになりましたが、会社によっては一定の期間内に解約すると違約金が発生する場合があるので注意が必要です。新電力への乗り換えをお考えの方は、電気代に加えて他社への乗り換えの際に発生する解約金についても比較することが大切です。
携帯電話の解約に発生する違約金と同様に、縛り期間や解約の際に生じる違約金がある新電力会社も存在します。
電力会社の違約金のシステムは携帯電話と似ていて、契約を結んだ後に短期間で別の会社に乗り換えるとペナルティーとして解約金が請求される場合があります。解約金や解除手数料の金額や期間は会社ごとに違いがあり、中には違約金が請求されない会社もあります。最低利用期間が過ぎて契約期間が満了した後であれば、別の会社に乗り換えをしても解約金を払う必要はありません。それでも、やむを得ない事情(例えば引越し先がサービスエリア外などのようなケース)であれば、契約期間内でも解約金や手数料を支払う必要はありません。
最低利用期間は会社ごとに違いがありますが、最初に契約を結んだ日から1年間が設定されているケースが多いようです。新電力の中には、最低利用期間を半年とか2年契約に設定しているケースもあります。ちなみに電力会社でもクーリング・オフ制度が有効で、契約後8日以内であれば手数料を支払うことなく解約が可能です。
最低利用期間が満了する前に新電力のプランを解除する際に請求される違約金や手数料の金額ですが、ほとんどの会社は数百円~数千円に設定されています。長期間の契約で割引特典が付く場合は、高めに設定されます。逆に違約金が全くかからない電力会社も存在し、短期間だけ電気を使う人向けのサービスも用意されています。
どんなにお得なプランであったとしても、最低利用期間よりも前に契約を変更して解約金を支払うと割高になってしまうことがあるので注意が必要です。ちなみに違約金の金額が少ないものであれば、ソフトバンクのスタンダードS(東京電力エリア)で540円となっています。高額なケースであれば、ソフトバンクでんきプレミアムプラン(東京電力エリア)で5,000円(2年契約)があります。解約金の金額や最低利用期間の長さはさまざまなので、電力自由化をきっかけに新電力に乗り換える際は解除手数料も比較することが大切です。途中で別の会社に乗り換えをお考えの方は、違約金を考慮した上でどちらがお得かなのかを比較しましょう。
従来の大手電力会社の一般的なプランは、短期間で契約を解除しても違約金が請求されることはありません。それでも新電力に対抗するために作られたお得なプランの場合は、違約金が発生する場合があるので注意が必要です。例えば、東京電力エナジーパートナーの新料金プランで契約している場合、別の電力会社やプランに契約を変更すると原則として540円(税込)の解約事務手数料が請求されます。
ちなみに関西電力・中部電力・東北電力などの大手電力会社については、現在のところ違約金はかかりません。ただし、将来に新電力のようにお得なプランが出た場合には、東京電力のように最低利用期間が設けられて解除手数料や違約金が発生する可能性があります。
電力自由化によって電力会社ごとにさまざまなプランや料金システムがありますが、中には違約金がかからない新電力会社もあります。例えば、東京電力・関西電力・中部電力エリアであればLooopでんき・丸紅新電力・myでんき(東燃ゼネラル石油)・ミツウロコでんきなどで違約金・解除手数料がかかりません。ちなみにLooopでんきは基本料金も0円で、利用した分だけ支払うシステムです。東北電力エリアであれば、丸紅新電力やミツウロコでんきであれば解約金がかかりません。中国電力・九州電力・四国電力エリアでも、丸紅新電力やミツウロコでんきなどであれば解約金は0円です。
電力自由化で電力会社の乗り換えをお考えの方であれば、最初は解約金がかからない新電力のプランに加入してみることができるでしょう。