電力自由化でPPS(新電力)を契約した際、契約を破棄したい場合はクーリングオフ制度を利用出来ます。
有効期限は8日間なので、申し出る場合は速やかに手続きしましょう。ハガキなどの書面で行うことができます。
電力自由化で登場したPPS(新電力)はクーリングオフ対象か
PPS(新電力)は、大手電力会社とは別の特定規模電気事業者のこと。自由化に伴って新規参入事業者の登録数は700社近くまで増えましたが、実際に事業を行っているのは100社にも満たないのが現実です。
一般家庭がPPS(新電力)を導入するメリットはとにかく電気料金を安くすることで、大手電力会社にはないサービスを期待したいところ。独占状態だった電力市場が広く開放されたことで、価格競争が起こる期待もあります。ただ、安くてもトラブルばかりでは困りますので、そこはきちんと法的な縛りが用意されています。万が一トラブル等で電力を供給できなくなった場合には、自動的に他からの送電に切り替わるバックアップ義務が課せられています。
つまり、一般消費者にとって電力会社の切り替えリスクは基本的にありません。送電設備も既存のものを利用しますので、特に初期費用もかかりませんし、登録手数料などの費用負担も一切ありません。
申込みから切り替え完了までは約2.5ヵ月かかりますが、その間も変わらず電気を使用し続けられますし、停電する事もありません。これなら何の不安も心配もないはずなのですが、実際には切り替えに絡んだトラブルが国民生活センターに殺到しました。これを受け、国は電力販売もクーリングオフ制度の適用とする事を決めました。
PPS(新電力)による電力自由化に関連するトラブル例とは
電力販売もクーリングオフ対象なのでひとまず安心ですが、そもそも起こったトラブルは電力自由化とは関係のないものばかりです。国民生活センターの発表によると、トラブル内容は悪意のある悪徳業者によるものばかり。
電力会社と偽って関係ない機器を売り付けようとしたり、自由化すると電力が上がると言って太陽光発電システムを売りつけたりといった具合。まさに便乗した悪徳業者のトラブルですが、2014年から増え始め、2016年には2ヵ月で98件にも及んだために、制度の適用となったわけです。電力小売とは関係のないセールスを受けたら契約は避け、無理に契約させられたら、すぐにクーリングオフすれば大丈夫です。
基本的に電力会社を変更することで機器を買わなければいけないような事はありませんし、手数料なども一切かからないことは覚えておきましょう。
PPS(新電力)の電力自由化関連でクーリングオフする場合は
クーリングオフには取り決めがあり、一番重要なのが期間です。電力販売の場合は、訪問販売や電話勧誘販売で契約した場合、書面受領日(契約日)から8日間のうちに申し出る必要があります。
申し出はハガキ等の書面で行います。宛先は契約した事業者の代表者にして、裏面には契約年月日、商品名、契約金額、販売者と担当者を明記します。文章は「契約は解除します」という一文と、すでに代金を支払っている場合には「支払った代金〇円を返金して下さい」と書きましょう。
最後にその日の年月日、自分の住所と名前を明記して、裏表両面コピーを取ってから郵便局で特定記録郵便か簡易書留で出します。クレジットカード支払いにした場合には、クレジットカードの会社にも契約を解除しますという通知書を出します。
ちなみに悪徳業者の場合はそれを見越して、今回はクーリングオフは出来ないなどと噓をついて8日をやり過ごそうとする場合もあるようです。契約しようとする会社が登録会社かチェックして、少しでもおかしいと感じたら契約しないことが一番です。
電力自由化でPPS(新電力)に切り替えても元に戻れるのか
電力自由化で取引監視等委員会に寄せられる質問の中で、小売電気事業者と契約した後、戻りたい場合はどうすればいいかというものがあります。
確かに契約後にクーリングオフなどをしたとしても、それまで供給を受けていた元の電力会社に戻れなかったら困りますよね。結論から言うと、電気の供給契約を元の電力会社に戻したい場合には、基本的に新たに契約を締結する必要があります。
仕組みとして、現状の電力会社から小売り事業者に契約が切り替わると、その時点で元の電力会社は経過措置期間中という扱いになります。切り替えと言ってすぐに切り替わるわけではないので、その間は経過措置となり、料金も経過措置料金で供給が行われることになります。
元の電力会社との契約にもよりますが、一度契約を解約すると、元の料金メニューを再契約できなくなる場合もあるようです。詳しくは元の電力会社に問い合わせる必要があるので、新規契約が無くなったような場合には、すぐに窓口に連絡が必要です。